●RTD(Resistance temperature detector)
→PTセンサ
●ARW幅(アンチリセットワインドアップ幅)
PID制御に使用する積分動作の範囲。積分成分が蓄積される
のを抑制するために、積分項目を計算する範囲を指定する
ために用いる値。
●SV値
SV:Set Value 温調機器においては、温度コントロールを行う目標温度(設定温度)を示す。
●オフセット機能
設定温度(SV値)に対して、別に設定したオフセット値(プラスあるいはマイナス何℃で設定する)を加減して、実際に温度コントロールする目標温度をSV値からずらす機能のこと。
周囲温度の影響で配管から一定の入熱を受けている状態で、温調する目的物に到達した時の温度が、チラーから吐出する温度に対して高く(あるいは低く)シフトしてしまう場合などに、それを補正するために設定する。
●ON/OFF温度制御
温調出力が設定温度に対してONかOFFかを切り替えて温度を調整する制御方法。
設定した温度以上(あるいは以下)になった時に冷凍機(ヒータ)などの出力をONして、以下(以上)になったらOFFする制御方法。
操作量が設定温度に対して、0%か100%の2つの値で動作するので2位置制御とも呼ぶ。
●温度ヒューズ
設定された温度以上にさらされると、内部の金属線が溶けて回路を遮断するヒューズ。
ヒューズが切れたら復帰できないので交換が必要。
●オートチューニング
PID制御において、P、I、D、各パラメータはその循環回路の接続された全ての部分の熱容量などのバランスにおいて最適に設定される必要がある。オートチューニングはそのパラメータの設定を自動的に決める機能のことを言う。
当社温調機器は、それぞれの使用条件においての最大公約数としてのPIDパラメータが工場出荷時に設定されて出荷されるが、そのパラメータセットが実際の使用環境によって適切ではないと考えられる場合は、オートチューニングを使って、自動的に設定することができる機能を持つものもある。
●外部センサ
学習制御などに用いる温調機器外に取付けられる温度センサ。
●学習制御
オフセット値(設定温度の補正値)を自動的に計算して設定する機能。
温調する目的物近くに温度センサ(外部センサ)を設置して入力をチラーに取り込み、吐出している温度と外部センサの偏差から自動的にオフセット値を計算する。
●サーミスター
温度によって電気抵抗が変化する半導体を用いた温度センサ。
PTC:positive temperature coefficient 温度が上がると抵抗が上がるタイプ。
NTC:negative temperature coefficient 温度が上がると抵抗が下がるタイプ。
がある。
抵抗値は数MΩと大きい物が多く、導線の抵抗分の影響が少ないので、2線式が一般的。
●サーモスタット
設定した温度になると接点をONまたはOFFさせるスイッチ。
バイメタル式が一般的。
ヒータのON/OFFなど直接の温度コントロールに使用されることもあるが、異常高温になったときに切れるスイッチとして使い、安全回路にも多用される。
自動または手動でスイッチは復帰する。
●時分割比例出力
リレーやSSRを通してヒータなどの出力を制御する場合、あらかじめ設定した時間周期に従い一定時間(0.2~1.0秒程度)の中でON時間とOFF時間の比を制御出力に比例させて動作させる方法。
例えば制御周期が1.0秒で、制御出力が70%の場合は、0.7秒がONで0.3秒がOFFになる。
●調整感度(ヒステリシス)
ON/OFF制御において、PV値がSV値に非常に接近した状態になっていると、少しの温度変化において、温調出力がON/OFFを繰返すチャタリングが発生し、出力リレーや接続された機器に悪影響を与える場合がある。これを防ぐために、ONとOFFの動作に隙間を与え、制御を安定させる。これの動作隙間を調整感度(ヒステリシス)と呼ぶ。
例えば冷却出力のON点(SV値)を20.0℃としてヒステリシスを1.0℃に設定すると、19.0℃まで温度が下がると冷却出力がOFFとなり、20.0℃まで温度が上がるとONするという制御になる。
●熱電対
2種類の異種金属線をその両端で接続してループ上の回路を形成したもので、その接続点の両端を違う温度に保持すれば、その温度差に応じた熱起電力が発生する。(ゼーベック効果)
センサとしては、その一端を基準温度に保って起電力を測定すれば、他端の温度が計測できることになる。この原理を使った温度センサ。
●バンド幅、温度上下限幅
設定温度(SV値)からPV値が一定温度以上に外れたときにアラームなどを出す温度範囲。
●PID制御
温度センサからの入力値(PV値)と設定温度(SV値)の温度差を比較して、P動作(比例動作)、I動作(積分動作)、D動作(微分動作)を組み合わせた温調出力を出す制御方法。
出力は0から100%までリニアに可変で、温度ブレのない、滑らかな温度制御が行える。
P動作(比例動作):PV値とSV値の偏差(温度差)に比例して出力量を0~100%可変させる動作。比例動作をさせる温度範囲(比例帯)がパラメータとして入力する必要がある。
I 動作(積分動作):PV値とSV値の偏差が継続している時間に対して出力量を調整し、温度のズレを訂正する動作をする。出力量は偏差が継続する時間に対して決まるので、積分時間がパラメータとして入力される必要がある。
D動作(微分動作):周囲の環境や負荷が急激に変化した時に、その温度偏差の微分値(変化の早さ)に応じた出力を出す動作。急激な温度変化をすばやく訂正する動作をする。微分時間が入力されるパラメータで、微分時間が長いほど、強い訂正出力が出ることになる。
●PWM制御
→時分割制御
●PTセンサ、白金測温抵抗体
白金(Pt:platinum)の電気抵抗が温度に比例して増加する性質を利用した温度センサのこと。Pt100Ω規格のセンサは0℃で100Ωの抵抗値になる。抵抗値が比較的小さく、導線の抵抗値分の影響を受けやすいため、一般に3線式、4線式の配線方式を用いて導線が長い場合など、その導線の抵抗値をキャンセルする入力回路を使う。
●PV値
PV:Process Value 温調機器においては、温度センサで計測している現在の温度を示す。