●エチレングリコール水溶液
エチレングリコールはアルコールの一種で、水に添加することで水の凝固点を下げることができる。自動車用不凍液などの主成分ともなっている。60%濃度での凝固点は約-40℃以下であるが、低温になると粘度が増加するので、流動性を考えると-20℃程度が実用的に使える最低温度である。
また脱イオン水(純水)にエチレングリコールを添加することで、流体の比抵抗を上げることができるので、絶縁性の高い循環液がほしい場合の用途にも使われる。
●ガルデン(GALDEN®)
ソルベイソレクシス社が製造しているフッ素化液の商品名。
パーフロロポリエーテル。高分子化合物であり、重合度によって温度範囲や粘度範囲のグレードが選定できる。
●循環液、恒温循環液
チラーで温度コントロールして、客先装置との間を循環する流体。
凍結温度、沸点、電気絶縁性などを考慮して、用途に合わせて、清水、脱イオン水(純水)、エチレングリコール水溶液、フッ素化液などを選択する。
●清水
ろ過、蒸留されて不純物を除去した水のこと。精製水と呼ぶ場合もある。
●脱イオン水(純水)
不純物、イオン成分を除去した水のこと。パーティクルフィルタで不純物をろ過した後、さらにイオン交換樹脂でイオン分を除去することで得られる。理論上の比抵抗の限界値は18.3MΩ・cmであるが、実際にその数値までにすることは不可能なので1~10MΩ・cm程度の水を脱イオン水(純水)と呼ぶことが多い。
●導電率
液体の電気の通し易さを示す数値で、比抵抗とは逆数の関係にある。単位も抵抗[Ω]の逆数である[S](ジーメンス)を用いて、[S/m]で表す。
25℃の理論脱イオン水(純水)導電率は0.055[μS/m]である。
●熱負荷
→冷却能力
●熱量
本カタログで使用する、熱量、熱負荷、冷却能力などの言葉は、単位時間に吸収、あるいは放出する熱量を示す。従って、単位としては仕事率である[W]=[J/s]や[kcal/hr]となる。
1kW=860kcal/hr
●粘度
液体などのねばりの度合いのこと。
絶対粘度の単位は[Pa・s]であるがCGS単位系での[P](ポアズ)がよく利用される。
1[Pa・s]=10[P]
また、絶対粘度を密度で割った数値を動粘度と言う。単位は[m2/s]であるが、一般に[St](ストークス)と言う単位がよく使われる。
1[St]=0.0001[m2/s]
●比抵抗
液体の電気絶縁性を示す数値で、単位は[Ω・cm]。脱イオン水(純水)の場合の比抵抗を示す場合はDIレベル(Deionizedwater)と呼ぶこともある。25℃の理論脱イオン水(純水)の比抵抗は18.3[MΩ・cm]である。
●比熱、比熱容量
圧力または体積が一定の条件のもとに、単位質量の物質を単位温度上昇させる時に必要なエネルギー。
水の比熱:1[cal/g・K]=4.184×103[J/kg・K]
●フッ素化液
フッ素系不活性液体。パーフルオロポリエーテル(PFPE)、パーフルオロカーボン(PFC)、ハイドロフロロポリエーテル(HFPE)、ハイドロフロロエーテル(HFE)など様々な種類があるが、電気絶縁性が高く、-100℃のような低温状態、200℃以上のような高温状態でも適当な流動性を持ったグレードが選定できる特徴がある。
化学的に不活性で、毒性もない。
3M社のフロリナート、ソルベイソレクシス社のガルデンなどの商品が流通している。
●プロピレングリコール水溶液
プロピレングリコールはアルコールの一種で、水に添加することで水の凝固点を下げることができる。エチレングリコールと同様に自動車用不凍液などの主成分ともなっている。
潤滑性があり、不揮発性である特徴もある。
●フロリナート™(Fluorinert™)
3M社が製造するフッ素化液の商品名。基本はパーフロロカーボン構造であるが、多種の化学構造があり、使用温度範囲や粘度によってグレードを選定できる。
●密度、比重
密度は単位体積あたりの質量で、単位は[kg/m3]
比重は水の密度(1.0[g/cm3])に対するその物質の密度の比で、単位は無次元となる。CGS単位系で表すならば、密度と比重は同じ数値となる。
●冷却能力
任意の温度において、温調機器が単位時間あたりに吸収(冷却)できる熱量(熱エネルギー)を言う。