|静電気はなぜおきる?
静電気の原理
すべての物質は拡大すると原子になります。
原子には一つの陽子と、陽子を取り巻く陽子と電気的にバランスが取れるだけの電子があります。
電子はちょっとした力で外れたり、外部からくっ付いたりします。
陽子と電子のバランスの崩れが静電気として発生します。
静電気なし(0V) | プラス帯電(+) | マイナス帯電(-) |
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とがバランスしており、静電気はありません。 | 電子(-)が飛出しての数が多くなると、帯電の状態になります。 | 外部からの電子(-)が飛込む事と、の数が多くなり帯電の状態になります。 |
|帯電の原因
1. 接触帯電
2つの物体が接触すると物体間を電子が移動できるようになります。
この状態で急に引き離されると電子の偏りが発生し、静電気として現れます。
それぞれの物体は陽子と電子の数が同じで、電気バランスが取れた状態です。それぞれ電位(静電気)を発生していません。 |
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物体が接触すると仕事関数の小さいワークから、仕事関数の大きなワークに電子(-)が移動する。
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物体を急激に分離すると電子に偏りが発生し、電子の数によりマ イナス帯電またはプラス帯電の状態になる。 |
帯電極性と帯電量の大きさ
帯電列
2つの物質が接触した場合の『帯電極性』『帯電量の大きさ』は
帯電列表で読み取る事ができます。
帯電列の見方
- 1:帯電極性
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帯電列で上段にある物質が+、
下にある物質が-に 帯電する。
例1:ガラス(+)ポリエステル(-)
例2:ポリエステル(+)フッ素樹脂(-) - 2:帯電の大きさ
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帯電列表で離れた物質ほど帯電量が大きくなります。
例1:人体とナイロンの帯電量(小)
例2:人体とポリウレタンの帯電量(大)
2. 誘導帯電
誘導帯電とは帯電した物体が近くに接近する事により、接触なしに発生する静電気です。 実際に物体が接触しないため発見しにくい静電気です。
+と-のバランスが取れており表面電位計は帯電量を示さない。
帯電物が接近すると電子が引き寄せられ電子の偏りが生じ、表面電位測定器では+を示す。
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誘導帯電による障害例
デバイス破壊1
1) 帯電していないデバイスは電気的な偏りがない。
2) 繰り返し作業により帯電した真空パッドなどが接近すると静電誘導が発生します。図では電子が電極 側に押しやられ、チップ付近はプラス帯電状態、電極部はマイナス帯電状態になっています。
3) この状態で基盤にマウントしようとすると静電気放電が発生してしまいます。このような場合は導電性ゴムのパッドを使用する必要がありま す。
デバイス破壊2
1) 帯電していないデバイスは電気的な偏りがない。
2) 作業者が近寄ることにより誘導帯電が発生し、作業者側がマイナス帯電、反対側がプラス帯電状態になる。
3) この状態で接地すると静電気放電が発生する。グランドから電子(-)が流入する事。
4) 絶縁した状態で作業者が離れると残ったマイナス帯電状態になる。
5) 再接地すると再度静電気放電が発生する。
電子(-)が流出する事。
|イオンの付着による帯電
紫外線を使用する装置など、イオンを発生させる装置があります。
発生したイオンがワークに付着すると帯電した状態になります。
イオンってなに?
・イオンとは、分子(原子)が僅かに電気を帯びた状態を言います。
・イオナイザの場合、空気中の酸素分子(原子)や、窒素分子(原子)などをプラスや、マイナスにイオン化します。